「寄稿」

2011年1月24日

本澤二郎の「日本の風景」(668)

<平成の妖怪> 誰かが岸信介を「昭和の妖怪」と命名した。筆者は中曽根康弘に「平成の妖怪」という称号を与えている。理由は天皇制国家主義の旗のもとに、改憲軍拡派として生涯かけて突進しているからである。時代を「暗い明治」に引き戻そうという野望に対して、筆者も必死で抵抗している。平和・軍縮派の宇都宮徳馬は生涯、岸を許さなかった。宇都宮にならったといえなくもない。昨日の右翼ネット新聞は、久しぶりその妖怪の講演会を伝えていた。

 案の定、極右政党と民主党の連立工作をさせたものの、失敗すると、今度は入閣させ、必死で与謝野を持ち上げて、菅総理に「与謝野を100%使いきれ」とわめいたというのだ。「大増税をやらせろ」とハッパをかけたものか。
 中曽根バブルの崩壊で1500兆円の資産を消失させた張本人が、消費税10%論者を閣内に送り込んだのだろう。こんな場面での黒幕登場は、決して格好いいものではない。
 それにしても敵ながらあっぱれだ。彼は92歳の午年である。まだ認知症にかかっていないらしい。2期8年大統領を務めたレーガンは、息子によると1期目にボケが始まっていたという。そうだとすると、我が平成の妖怪は、そんなレーガンの前で、うやうやしくも「日本は不沈空母」とやってのけたことになる。

 この中曽根発言で筆者の中曽根分析は一変した。宇都宮もそうだった。情けないことに、それまですっかり騙されていたのである。若かったころの中曽根に対して、相応の面倒を見ていた宇都宮の衝撃も大きかった。
 この中曽根を徹底支援した人物が、読売のナベツネである。宇都宮が彼の仲人である。読売入社にも宇都宮が関与して成功させたというのに、だ。彼は恩師を裏切り右翼に転向、読売メディアグループを中曽根新聞・憲法改悪新聞に変質させた。腹心で同僚の氏家を日本テレビに送り込んで、二人して現在も日本のマスコミ界を牛耳っている。もっとも、そんなことが永遠に続くことはない。筆者もよく知る元日本テレビ政治部長が、最近彼らの正体を暴いて追い詰めている。
 ちなみに中曽根・ナベツネ・岸の共通の支援者が、右翼のドンといわれた児玉誉士夫であった。児玉の暴力に対抗出来なかったマスコミ・政界をよいことに、3者は有効活用したものだろう。日本政界も言論界も内実は腐敗の極みなのだ。容認する朝日の凋落も見て取れようか。
<スイス元銀行家の内部告発> 話題を変える。数日前から世界の巨額脱税組が怯えているらしい。ご存知、世界的脱税王の多くがスイスの銀行に秘密口座を持ち、そこに巨額資金を保管している。その中には財閥だけでなく、各国の為政者や元為政者らのものも含まれている。むろんのこと独裁者の悪徳資金も眠っているらしい。
 それを元銀行家が暴露、例のウィキリークスに秘密の預金口座と保管資金の情報を流してあるというのだ。同創設者のジュリアン・アサンジが1月17日、ロンドンでの記者会見で明らかにしたのだ。其の数、実に2000人である。
 全て公開すると、世界の悪徳富豪が総なめにされる可能性が出てきたのである。この中に日本人も含まれているはずだから、遺族を含めて関係者らが震え上がって当然だろう。各国の税務当局は固唾をのんで待ち構えている。1000兆円の負債をかかえる日本政府もそうだろう。

 93年にアメリカ政府が1カ月に渡って1日100ドルの旅をプレゼントしてくれた時、通訳・案内人のウイリアム・バレットが「アメリカでは秘密を維持することはできない。いつか必ず暴露される」といって胸を張った場面を思い出してしまった。
 ウィキリークスの時代は続いていくのだろう

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2011年1月23日

本澤二郎の「日本の風景」(667)

<裁判官の正体初公開> 裁判官歴22年の弁護士・生田暉雄さんの講演録(セミナー2010・12)を読んだ。これまで裁判官という特殊な世界を知る機会がなかったものだから、初めて実体験を踏まえた赤裸々な証言に腰を抜かしてしまった。その印象は、失礼ながら精神に異常をきたしている人間集団のようだ。「裁判官は勉強ができる。それが唯一のよりどころ」というだけの特殊な人たちなのである。そこから偏った判決ばかりがなされていまいか。怖いと思う。少なくとも、尊敬と信頼を得られる人間といえるか疑問だ。


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2011年1月19日

本澤二郎の「日本の風景」(665)

<米証券エコノミスト> 日本記者クラブで米証券会社の米人著名エコノミストによる2011年の世界・日本の経済動向を聞く機会を得た。政治の予測も困難だが、経済動向も同じで当たらないものだ。まして本業が株屋ともなれば、利害が直接絡むだろうから、余計にアテにならない場合が多い。それでも多くのジャーナリストが会見場に姿を見せた。混迷期だから、見当違いの説明でもなんでもいいのであろうか。

 「世界のGDP成長率は強くない。先進国と途上国の成長率格差は拡大、金融・財政・為替に変化が出てくる」「インフレ格差はインド・中国などで高くなる。通貨の格差も拡大する」「エネルギーも穀物も値上がる。TPPは日本にとってチャンス」などと流ちょうな日本語で分析した。ワシントンの圧力に屈する菅内閣を後押しするようなTPP認識も披歴して、公正であるべきエコノミストの正体の一端を露呈した。
<日銀に反発> 彼が日銀の対応に怒っている様子を初めて知った。
 真面目なエコノミストは、日銀の八方破れのような暴走に反発している。中曽根バブルの終息にも失敗して、日本沈没の元凶ともなっている日銀である。不況・デフレ解消にと、円を刷りまくって市民をハラハラさせている。通貨の番人も異変をきたして久しい。
 政府から独立しているはずなのに政治に振り回されてもいる。そのことも国民の不安材料でさえある。
 ところが、米人証券マンからすると、円増刷が少ないと文句をいっているのである。円をどんどん刷って円に羽を付けて軽くせよ、そうすれば株屋がもうかるではないか。と、わめいているようなのだ。
 彼を起用するテレビ局は多いと聞く。とんでもない、かなりいい加減なエコノミストではないか。

<日銀法改悪に奔走?> 自分たちの意向を聞いてくれない日銀政策委員を、全部すげ代えろとまで言い張った。アメリカはガンガンとドル札を印刷している。ドルの価値を下げている。原油も何もかもが値上がりしている。
 ウォール街にもドルが流れ込んで、それでも低迷しているアメリカ経済である。ドル暴落を心配するのだが、株屋はそんなことはどうでもいいらしい。こんなエコノミストから政府関係者や政治家は話を聞いて、政策に反映させているのだから、危ないことおびただしい。
 仰天するような発言も飛び出した。20年余の日本の借金尽くめの「財政政策」を成功と断じた。聞き間違えではあるまい。現在、日本の失敗を回避しようとして財政再建を重視する欧州の方に、彼は懸念を示した。欧州において「金融危機が生じよう」と決めつけたものだ。確かにそうかもしれないが、1000兆円の借金で、事実上、財政破たんをした日本よりも、はるかにましではないのか。
 ワシントンの保守派は、財政破たんを許すなと激しくオバマを追及している。米人株屋の無責任発言には情けなくなってしまった。
<生活水準低下> 彼は数字を示しながら日本の生活水準は下がるとも。当然であろう。しかし、上げる方法もあるのだという。それには日本の技術を高めればいいというのだ。それには日本の教育投資を多くすればいいというのだ。「教育投資を引き上げるために高齢者向けの歳出を削れ」と主張した。
 これはお笑いである。日本の教育は思考や想像力に力点を置いていない。東大法学部に代表されるように、それは暗記力で若者を採点している。これではいくら投資をしても成果は期待できない。
 思考力・創造力中心の教育方針に切り替えることが先決だ。それから20年先のことになる。いまの暗記力中心の教育に投資をしても無理というものだ。いわんや高齢者の金を削ることに、どれほどの理解が得られようか。
 1000兆円借金大国の日本は、生活水準をどんどん下げるしか生きられなくなっている。失政のツケである。官僚政治の負の実績なのである。
<日本企業は海外投資> 政府は法人税を5%も引き下げた。財界の意向に屈した、というよりも財界と一体となっている政権なのだ。「国内の雇用を増やせる」という名目だが、事実に反する。
 彼はエコノミストらしい分析を、この場面で披歴した。「日本の企業は国内に投資をしない。儲けの確実な海外に投資をする」と決めつけた。菅内閣の宣伝は偽りというのである。海外で稼ぐ日本企業なのである。

<末期医療に大金> 民主党政権の事業仕分けに参画したという、このエコノミストは「医療制度を改革する必要がある」とも指摘した。末期の医療費に問題が含まれている、というのである。
 これは聞いたことがある。「亡くなるまでの6カ月間に莫大な金を掛けている」という。確かである。「本人にとっても拷問なのだから」という見方も其の通りであろう。
 これには病院の金もうけ体質が関係している。厚生官僚も連携している。これを是正すれば、崩壊健保も再生出来るかもしれない。病院と官僚を抑え込む政治力がない証拠なのだが、いまや病院の貪欲さに屈していられる状況にはない。
<女性・高齢者働け> 彼はとうとう日本の財政の現状と見通しについて、全く触れようとしなかった。其の点で、まともなエコノミストではなかった。「そんなことは言わなくてもわかっているだろう」というのであろうか。
 しかし、高齢者をもっと働かせるしかない、と決めつけた。財政悪化の欧州では、年金給付年齢をどんどん引き上げて先延ばしをしている。「日本も」というのである。「日本は70歳まで働いてもらうべきだろう」といって間接的に財政破たん国家の内実を暴露した。
 「女性・高齢者に働いてもらわないといかん」とも言った。少子高齢化の日本と、財政破たんの日本という現状を踏まえたエコノミストらしい見解なのだ。国債発行も限界にきている日本を、彼は十分に理解しているのである。
<参院定数67議席は賛成> 一つ彼の言い分で賛成出来る提案があった。それは1票の格差を完璧に是正することなのだという。具体的に「参院の定員を11ブロック制・67議席にして格差を無くせばいい」というのだ。
 200人以上もいらない。アメリカ上院でも100人ではないか。50人でもいいくらいだ。衆院の暴走を抑制する参院議員で十分なのだから。これに報酬を半減にすれば、日本再生も夢ではなくなる。
 衆議院も半減にするのである。そうすれば税収のほとんどが、役人の賃金で消えてしまっている現状に大ナタを振るえるだろう。

 菅内閣は閣内に異物を取り入れて大増税を実現しようとしている。公約違反であるにもかかわらず。体内に吸血鬼を抱え込んでいて増税しても意味がない。子供でもわかる理屈ではないか。

 増税の前に国会・政府改革を先行すべきなのだ。
 米人エコノミストは、日本のデフレは今年も続くと当たり前の予測をした。こんなことは筆者でもわかる。大不況に変化はない。

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2011年1月18日

本澤二郎の「日本の風景」(661)

<動くか石井紘基暗殺事件> 正義と勇気を兼ね備えた政治家というと、民主党の石井紘基議員である。彼の右に出る政治家はいない。それゆえに、さる筋に消されてしまった。暗殺されたのだ。米民主党下院議員暗殺事件に対する大統領府と議会の対応に比べて、まるで他人事のように振舞ってきた民主党に猛省を促すために本欄で発信すると、大変な反響に筆者が驚いてしまった。

 彼こそ真っ当な国会議員である。命がけの国会活動をして、本当に命を奪われてしまった。官僚政治に押しつぶされる日本・亡国の日本に衝撃を受けながら、一命をとして入手した極秘資料を鞄に入れて、駐車場に向かう途中、さる筋が放った右翼の死客に暗殺されてしまった。
 正義と勇気の塊のような政治家を、悪しき当局は暗殺という暴挙に及んだのだろう。それがわかっているのに、警視庁も東京地検特捜部も黒幕を追跡しようとしていない。筆者はこれに怒った。
<江田五月法務大臣就任> 特に江田三郎を慕った菅直人と息子の五月に怒りの矢を放った。選挙区を後継した小宮山洋子に対しても。3人に真相究明を求めた。
 あるいは、それが通じたものか、全くの偶然なのか?菅は五月を法務大臣に起用したのだ。二人はことの重大性を悟ったものか。もし、そうだとすると、証拠を改ざんする検察任せにしないで、大臣自ら獄中に赴いて刺殺犯と面会して真相を聞いたらよい。
 民放テレビ記者とのやりとりで、犯人は「自分は頼まれたのでやった」と告白している。彼は暗殺の謝礼に満足しなかったものか。真実を明かそうとしている。江田五月の格好の出番であろう。法務・検察の頂点に立った江田であるが、内閣がいつ沈没してもおかしくないのだから、急いで捜査をして真犯人を亡き石井の霊に報告、ついで彼の正義と勇気ある行動を政治家の指針として称賛、合わせて遺族に相応の名誉と保証をすべきだろう。政府・議会の責任である。
 石井のような政治家が5人もいれば、日本の再生は夢ではない。若手政治家の目標にするのである。石井こそが政治家らしい政治家といえよう。40年余の永田町で生きてきたジャーナリストとして、勇気ある正義の政治家と言う点では、宇都宮徳馬と石井であると断じたい。
<朝日阪神支局襲撃事件> 同じく朝日新聞阪神支局襲撃事件に絡んで、犯人を名乗る人物が週刊誌で告白した。これに朝日が否定、週刊誌も謝罪した。犯人なる人物は「CIAに頼まれた」という趣旨の証言をしたからである。間もなく、その人物は不可解な死を遂げている。CIAが相手だとすると、今の朝日や週刊誌も腰を折ってしまうのもわかる。この事件と朝日の右傾化は比例している。暴力に屈する悲しいマスコミは、戦前と変わっていないのであろう。
<浅沼稲次郎暗殺事件> 社会党の浅沼稲次郎も右翼少年の暗殺で幕を引いて、黒幕を追及しなかった。新法務大臣は裁判官としての経験からして、検察や司法の腐敗を承知しているはずである。彼らの手の内を知っている。
 法務大臣の職権を利用して、石井事件・朝日襲撃事件・浅沼事件、ついでに大逆罪事件を洗ってみてはどうか。これだけに専念しても国民は文句を言うまい。日本の恥部を暴いて真相を明らかにすれば、菅内閣もかろうじてわずかな成果を残せるかもしれない。
<小沢・鳩山狙い撃ちの検察動機> 時間があれば、小沢と鳩山だけを狙い撃ちにした東京地検特捜部の動機も公表したらいい。イカサマのような検察審査会の内実も。
 法と証拠の法務省・検察・警察が問題になっているようでは、法治国家が泣こうというものである。江田法務大臣の今後に注目したい

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2011年1月17日

本澤二郎の「日本の風景」(659)

<石井紘基事件の犯人追及を> 米アリゾナ州銃乱射事件で、地元選出のガブリエル・ギフォーズ下院議員が狙われ、米国社会に深刻な打撃を与えている。脳の左半分に銃弾が貫通、重体のままだ。民主政治を破壊する暴力に対して、オバマ大統領ほか大統領府・議会関係者が黙とうをささげた。筆者は日本における民主党の石井紘基事件(2002年10月25日)が頭に浮かんできた。この事件を悪しき検察・捜査当局は、右翼の犯人を捕まえて投獄しただけだ。黒幕を放置している。

 石井事件を政府与党はすっかり忘れてしまっている。彼が大学の先輩というのを知ったのは、右翼に殺害されて大分経ってからだ。そして彼こそが、悪しき官僚政治によって日本沈没が目前に迫っていると指摘し続けていたということ、そして、その重大事案を白日の下にさらせる資料を鞄に入れて、東京・世田谷の自宅を出ようとしたところで、右翼に刺殺されて資料を奪われていたことを知った。

その後の民放による追跡取材で、犯人は「頼まれてやった」と証言していることも判明している。だが、捜査当局は真犯人を追及していない。「天皇の検察」でしかないことを暴露している。
 2002年といえば、日本政治が天皇制国家主義へと急傾斜、自民党内からリベラル派が敗退しているころであろう。そのころの筆者は、家族を襲った問題で天下国家どころではなかった。

<民主党の責任> 右翼内閣と右翼の犯罪と言う当時の政治環境が、民主党国会議員刺殺事件を政府も検察・警視庁も、いい加減に処理したのであろう。悪質である。
 考えても見るがよい。被害者が重要書類を手にして出たその瞬間に犯人が現れて、鞄から重要書類を抜き取って立ち去った。ということは、彼には当局による内定なり、周辺にスパイを張りめぐらしていたことになる。
 当局とは、この資料が世間に公表されてはまずい勢力ということになろう。民間ではない。公的な機関であろう。彼の手落ちは、その資料を複製していなかったことである。
 改めて正義の国会議員の存在に敬意を表したい。本物の政治家である。彼の後継者は、彼の遺志を継ぐ人材は、いないのか。政権を担当している民主党政府は、どうして真犯人を探し出そうとしないのか。不甲斐ない政党であろうか。
 石井事件を放置する政党は、所詮民主的な政党ではないということである。それは全ての日本の政党にあてはまる。
<菅直人・江田五月の責任> オバマは民主党下院議員の暗殺事件に対して、米国民・米議会を代表して哀悼の誠をささげて、犯人の黒幕捜査に全力投球している。ケネディ暗殺事件のようないい加減な捜査をしないはずである。
 朝日新聞の阪神支局襲撃事件を事実上、放任した捜査当局である。無辜の民を冤罪事件で死刑判決をする検察と裁判所ではないか。証拠を改ざんする検察ではないか。
 せめて「自分は頼まれてやった」と進んで自供している重大事件に対して、真摯に向き合うべきだろう。それを総理大臣として、同僚議員として菅直人は、検察に再捜査を指示しないのか。
 石井は、60年安保騒動でデモの最前線で戦う江田三郎を尊敬した。「彼こそが本物の政治家だ」と心酔して、息子で裁判官上がりの五月の秘書になった。菅も江田に惚れた政治家ではなかったか。菅も五月も石井事件解明について責任があるのである。
 忘れたとはいわせまい。石井事件の真相を明らかにする義務があろう。たとえ、それが国家犯罪だとしても関係者を重罰にすべき義務があろう。日本国民は石井事件を忘却すべきではない。浅沼事件と共に。
 議員を暗殺するという重大事件の処理は、オバマを見習う必要がある。
<小宮山洋子の責任> 知り合いの法律家は小宮山洋子に一目置いている。そんな彼女もこの事件解決の責任を負っている。石井議員の後継者なのだから。石井の無念を受け止め、真相解明の義務を負っているのである。
 江田五月と小宮山は共に菅側近ではないか。菅・江田・小宮山が連携すれば、真犯人はたちどころに判明しよう。わざわざ無責任検察の力を借りなくても獄舎に出向いて、犯人と対話をするだけで可能なのだから。
 こんなことがわかっていても石井事件をいい加減に処理して、由とするのか。
 なぜ、筆者はこれほどこだわるのか。それは、もし彼が生きていて政権の中枢にいれば、鳩山や小沢の官僚政治打倒の主役となれたからである。日本沈没を回避するために働くことが出来たからである。
 日本を潰した官僚政治を脱して、日本再生の契機を作り出してくれたはずだからである。そのカギを握っていた人物と思えるからである。
<石井事件の真相解明を> 石井事件をうやむやにすることなかれ、である。断じて解明せよ、と政府と民主党にいいたい。決断すれば、容易に判明するのだから。例の重要書類の行方も判明しよう。
 CIAの仕業とは思えないが、真犯人は見つかる。彼が「官僚天国日本破産」(道出版)を書いたのは96年4月である。読んでみたい本である。菅・江田・小宮山はこの本を読む必要がある。

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2011年1月13日

本澤二郎の「日本の風景」(655)

<暗愚の宰相へ諫言> 小沢追放にのみに関心を示す暗愚の宰相は、残る課題に対して税金を引き上げることに懸命である。さらに景気を冷え込ませ、雇用を減らそうということらしい。法人の大幅減税で雇用が増えるわけではない。統一地方選の資金確保ではないか。財界・財閥を太らせて民衆の懐に直撃しようとしている。主権者はすっかり官閥・財閥主導の菅内閣に裏切られ、怒り狂っている。


 韓国の大統領の年俸は1304万円、大臣は743万円である。まず日本の総理・大臣は半減すべきではないか。機密費も半減にしたらいい。身を削ることが先決だろう。
 英BBCを見習うというNHKは、日本の金融機関役員の法外報酬にNOといわない。沈黙している。民放も新聞も、である。その点でBBCは市民の怒りをぶつける報道をしている。日本の金融機関はほとんど税金を払っていないが、イギリスは法人税を多く納めている。日本の格差は役人と財閥役員によって拡大している。
<高速道路料金を廃止せよ> 思い出すと、民主党人気の公約はアメリカ並みに高速道路の料金の廃止だった。これに多くの国民は賛同した。人と物の移動が活発化する。そこに消費が生まれる。経済活性化の決め手である。
 民主党はこの公約を破ってしまった。国交省の役人の反発を抑えられなかったのだ。責任は前原にある。
<ガソリン暫定税率廃止せよ> 悪しき政策の一つは、日本のガソリン代金の高さにある。民主党は暫定税率を廃止すると公約した。これにも多くの無党派市民は賛同した。
 これも財務省官僚の反発で止めてしまった。菅の責任である。
 国民の多くが賛同した公約を断行すると、大がかりな行財政改革をしなければならない。これこそが官僚主導の制度の1大改革の契機となるのだが、民主党政権は共に公約を破って、国民を失望させた。
 暗愚の宰相にいいたい。この二つの公約を断行したらいい。政権は間違いなく浮揚しよう。党内抗争に突進している暇はない。
<前原更迭を> 松下政経塾のリーダー格の極右前原の活動にはうんざり、である。尖閣問題を表面化させて日中関係をぶち壊し、両国民に不信感を与えた。そして中国敵視の防衛政策を閣議決定、改憲軍拡の潮流へと大きく踏み出した。右翼・国家主義そのものである。筆者が極右と決めつける理由である。暗愚の宰相のお陰でもあろう。
 正月早々にワシントンを訪問、東アジア緊張政策の推進でクリントン国務長官と合意した。ワシントンに手玉に取られていることさえわかっていない。ワシントンは中国政策に対して二重の外交政策を打ち出している。軍事面で対抗する一方、外交面では微笑外交を演じている。
 前原ほど腰の軽い、口の軽い外務大臣も珍しい。更迭せよ、といいたい。
<異変続きの世界> アメリカとスウェーデンで大量の鳥が死んでいる。不気味な現象である。
 韓国の口蹄疫の拡大も異常である。ウォン安で、輸出拡大に成功したこの国に暗い影を落としている。日本からの観光客は相変わらずのようである。
 オーストラリアの大洪水にもびっくりさせられる。気候変動は地球全体に及んでいる。それでいて地球温暖化防止に愚かな為政者は、対応を怠って宇宙だ、なんだと国威掲揚に必死である。
 アメリカ同様、戦争国家そのもののイスラエルでは、外交官らがストをして首脳会談がキャンセルされている。
 誇り高いフランス語に執着するフランス人は、とうとう乱暴なフランス語を連発するサルコジ大統領にNOを突きつけている。日本でも漢字を正確に読めない総理大臣がいたが、フランスでも、ということか。
<軍縮のスペイン> スペイン政府は財政悪化を理由に軍事費を大幅に削減している。イギリスに学んでいる。緊張を作り出して改憲軍拡の日本政府とは対照的である。その一方、中国人観光客の受け入れに必死である。これはまともだろう。
<中国の税収・8兆元> 日本の税収30兆円台は政治家と役人の賃金ですっかり消えてしまう。異様な財政破綻国家だが、隆盛の中国は8兆元の税収という。香港のテレビ報道で知った。8兆に15を掛けると日本円が出る。購買力は日本の10倍はあるだろうから、間もなくアメリカを抜くことも夢ではない。政策を上手に進めることが出来れば、中国の時代は間違いない。
 中国のプラス要因は、日本やソ連・アメリカの失敗を教訓として生かせる点である。
 この税収を人民に公平に配分すれば、中国の福祉・医療・年金も充実すること間違いない。政府・党の政策がうまく機能することを切望したい。腐敗防止の徹底と財閥化企業役員への監視も怠るな、と忠告したい。
2011年1月7

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2011年1月 5日

本澤二郎の「日本の風景」(650)

<連合も大増税推進宣言> 正月早々に意外な報道が飛び込んできた。日本を代表する労働組合の連合会長が、菅官内閣が推進する消費税の大幅増税計画にワル乗りしたというのだ。労働組合を庶民・大衆の代表と受け取る向きは、現在も少なくない。そこからの大増税受け入れ宣言に戸惑った市民は多かったに違いない。大増税は景気をいっぺんに冷やす。大企業・財閥に対しては5%減税だ。庶民には5%消費税アップという路線を民主党支持の連合がOKしたというのである。


 松下財閥・政経塾・PHP研究所路線を突っ走る菅内閣であることが、税制面でくっきりと理解することが出来るだろう。あるいは、マスコミが報道しないため、理解できない民衆も多いかもしれないが。それにしても労働組合が大増税を容認、推進する役目を担った例は過去にはない。この財閥・官閥主導の日本政治は、外交安保政策面では日米韓軍事態勢の推進強化・中国敵視政策というのだからお話にならない。
 均衡を欠いた菅官内閣が、極右勢力に乗っ取られていることが理解できよう。

<古賀会長は松下一派> 古賀という人物は何者か。ネットで調べてみた。このネットというのは、実に便利なもので、問題人物の経歴がすぐ判明する。昔の取材と比べると、まことに効率がいい。
 なるほどと頷いてしまった。彼は松下電器産業出身である。松下労組だ。労働貴族の典型である。政経塾とは身内の間柄といってもいいだろう。政府もそうだが、支援労組も松下一派なのだった。
 自民党にも松下から金をもらっている議員がいたと記憶している。財閥の暴走の一環なのであろうが、そうだとしても連合までもが大増税に加担するとは、やはり驚きである。
 腐ったリンゴそのものの、財閥にぶら下がる労働組合と言えるだろう。これでは、日本の将来は暗澹たるものである。
<労働貴族と政治家・役人は共闘> 軍拡と増税・戦争体制と大増税は歴史が証明している。表は福祉のためと称して民衆に負担を強要する悪政の最たるものである。財閥は減税で暴利の一部を政界や官僚に還元するだろう。
 民衆もよほどなめられている。自分たちがバブル経済で踊り、暴利を手にして酒池肉林の生活を送ってきた。崩壊して1500兆円の大穴をあけると、無知な市民をよそに借金尽くめ、その間隙をぬって金融制度の安定確保などとほざいて血税投入だ。こうして財閥は生き残ってしまった。これが過去25年の日本政治、すなわち官僚政治・官財閥政治の正体だった。
 莫大な借金を抱えた企業は生き残るために、役員と労働者を半減、給与も半減するしかなかった。家計では収入に合った質素な生活をする。ご飯と味噌汁だ。昔は麦飯だ。戦後はサツマイモをご飯の中に入れた。漬物のタクアンで生き延びてきた日本人である。
 だが、現在の日本の政治家や官僚にはその発想がない。役人天国の給与に変化はほとんどない。官僚の代表である人事院が、財閥給与を基準にした給与体系を答申してきている。日本の政治家・役人は世界的レベルの高給を懐に入れている。
 その原資は孫たちの借金である。年間30数兆円の税収も役人の給与でほとんど消えてしまう日本の財政である。
 まともな為政者であれば、40兆円の予算を編成、役人の給与を10兆円程度に抑えるしかない。現状は92兆円の予算を編成した菅官内閣である。亡国の予算なのだ。
 身を削るという当たり前のことをするのが、先決である。議員と役人の定員と給与の半減から、まず始めなければならない。これに蓋をしている政界と官界、言論界である。財界だけは減税だ。そして自分たちの特権的給与・体制は温存して、大衆に大増税を課すというのである。
 こんな不条理を労働貴族の連合と政治家・役人が共闘する日本ということになる。20年前からわかりきったことをしてこなかった官閥政治である。理由は、関係者の不正に蓋をかけて責任をとらないようにするためであった。
 主役の中曽根は本来、蟄居閉門の身のはずである。大連立工作に暗躍する立場にはないのである。

<平和運動を放棄した悪しき労組> 筆者は以前「連合の罪と罰」(データハウス)を世に問うたことがある。平和運動を放棄した労働組合に失望したからである。労働貴族化は日本政治の右傾化に貢献した。革新政党を内部から崩壊させた。財閥の手に落ちてしまった労働組合のその後には、衰退だけが待っているというのに。
 今も悪しき連合が民主党にまとわりついて、個々の議員に横やりを入れているのである。同党が健全化するわけはない。崩壊する日本の象徴なのであろうが、4月の統一地方選と総選挙を想定すると、日本沈没は止まることはない。
 ヒトラーのような人物が登場する素地が、急速に形成されているようにも感じられる春以降の日本政局なのか。
 大増税の前に為すべきことを断行する政治家が出てこない不思議ニッポンである。
2011年1月3日

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