≪あとがき≫より抜粋
筆者が中学一年のころだったと記憶しています。朝、友達がひどくしょげているので、理由をきくと昨晩、父親にすごく怒られたとの答え。重ねてたずねると、テレビでやっていた戦争映画の空中戦のシーンに、思わず「カッコいい!」と口にしたとたん、「戦争はカッコいいものじゃない!!」と烈火のごとくの剣幕だったそうです。なるほど、戦争体験のある彼の父親の気持ちもわかるとはいうものの、ゼロ戦の二〇ミリ機関砲が火を吹けば、たいていの男の子には魅力的に映ります。その時は何か釈然としない気持ちのままでしたが、筆者が長じるにつれ、戦争を道徳的に断罪して、子どもを叱るのではなく、科学的に解明して、納得させるような方法はないものだろうかと模索し始めていきました。この小冊子における二つの講座のなかで、その方法がうまくいっているのかどうか、あまり自信はありませんが、読者の忌憚のないご意見、ご感想をいただければ、と思います。
本ブックレットは二〇〇五年五月から「ジャーナリスト・ネット」において、不定期に連載された講座に一部加筆したものです。ジャーナリスト・ネットとは、未来学者アルビン・トフラーが、「いま反乱が起きている」と表現するくらい、インターネットで最近、爆発的にふえてきている「ブログ」(自由に書き込めるページ)のひとつです。モットーは「メディアを創造する、現代を探索する、知を深める」で、日々活発な言論活動を展開していますので、そちらもあわせて、ぜひご覧になることをおすすめいたします。トフラーによれば、そうしたブログの増加は、古い制度の正統性がなくなってきているためとのことですが、筆者も世にはびこる古い「戦争宿命論」を、徹底的に打ち破るブロガーでありたいものです。
最後になりましたが、ジャーナリスト・ネットへの寄稿をすすめて下さった川瀬俊治さん、ブックレット出版のお世話をいただいた片山通夫さんに対し、同じく絶大な謝辞を心の底よりおくります。
二〇〇五年一〇月一五日