'."\n" ?> 今西富幸の「思考する読書」:コラム「風」 書くことがないので...:今西富幸
今西富幸の「思考する読書」

2010年11月19日

コラム「風」 書くことがないので...:今西富幸

 今回は仕事に忙殺され、コラムで書く素材が見あたりませんでした。

 よって、私の詩をそれに変えさせていただきます。

 

黄昏のエチュード

 

もみの木は直立せよ

わたろうとするな

対岸は近い

むしろ

みえない空量に支えられた

鳥の骨格を見よ

まことに町は燃えるような意志にみちて

ふるびた茶箪笥がさわぎはじめる

少女が落としたふくらみのかげは

夕陽のささやかな

あの果実

来歴はやみくもに開いた花である

もみの木の

町よりも静かな意志は

あるいは眩暈で一撃するだろうか

わたしたちを

犬は走り

そして犬は走った

あのころ

そんなものをわたしたちは

みたような気がする

黄昏に近く

底冷えの水を治めながら

やっと

遠雷がひびきはじめた

じくじくとわたしたちを

いたぶりはじめる

 

 

 

2010年11月19日 00:27

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