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片山通夫の「取材手帖」

2009年6月24日

コラム「終わりの始まりか」:片山通夫

 ついに、というかやはりというか、コダックがカラーポジフィルムの生産を中止すると発表した。コダクロームという優秀な色再現をするスライド・フィルムだ。

 コダクロームはかなり特殊なフィルムである。まず、一般的には使用されない。いわゆるプロ用である。そしてフィルム現像もかなり特殊だ。外式という現像方式で2007年12月末には既に国内での現像処理は終了していた。海外へフィルムを送付して現像することになったのである。それがとうとう・・・フィルムそのものの生産を打ち切るという。

 筆者も最近はフィルムはほとんど使っていない。たまにモノクローム・フィルムを買ってきて「昔ながらのやり方で」現像をしている程度である。つまりほとんどがデジタルに移行してしまった。コダクロームを筆者が使わなくなって15年は経つ。いまさら「フィルムが生産中止」になったからと言って、何も困ることはない。しかしそれでもこのコラムを書きたくなるほど「寂しい」のは事実である。感無量の思いがこのコラムを書かせている。

 コダクロームの生産中止のニュースは筆者にとってそれほど衝撃だった。使いもしないフィルムのことなぞどうでもいいとは思うのだが、これが「終わりの始まり」なのかとも思う。たとえば筆者はスパイカメラとして有名だったミノックスを買った。ところがこのカメラ用のフィルムが特殊で売っていない。現像タンクも然りである。インターネットを駆使して、タンクはドイツの販売店から取り寄せた。フィルムは・・・。35ミリやブローニを裁断して使うという手間のかかるカメラになってしまっている。それでも使いたくなるメカで装備されているいわば玩具である。そのうちモノクロームフィルムも無くなるのかなとちょっと心配である。

2009年6月24日 12:15

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