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片山通夫の「取材手帖」

2009年10月23日

09年の肖像「韓国・小鹿島」:片山通夫

韓国に小鹿島という小さな島がある。1916年日本の植民地時代に朝鮮総督府の指示作られたという。ハンセン病患者の「収容(隔離)施設」である。現在はもうハンセン病は完治する病気として認知されているが、当時はそうではなかった。
 写真は韓国・小鹿島に住む元患者のポートレートである。人権に考慮して一部を目隠しした。

 この写真の二人は決して日本に対して恨みを筆者に言わなかった。ただ、当時の生活の惨めさを淡々と話してくれただけである。その惨めさの最たるものが「結婚するとき『断種手術』を受けなければならなかった」という。無論この二人にハンセン病の知識があったわけではない。ただ言われるままだったという。
091023ogashima-2.jpgこの写真は避妊手術を施すための手術台である。今も当時のまま保存されていて訪れる人を驚かし、そして畏怖させる。朝鮮には植民地時代に、強制連行や言われない差別の奥の闇にこのような世界があったということも知らなければならない。

 小鹿島を後にして、とある食堂に入った。食堂のおばさんは「患者さんも苦労したようだ。今ではときどき『遠慮しながら』この店にも入って来るよ」と話す。「そんなに遠慮しなくてもいいのにね。同じ韓国人なのに・・・」
 その言葉の裏に「日本人は!」という思いが込められていたと感じたのは筆者の僻みなのだろう。おばさんはそれほど屈託がなかった。

2009年10月23日 08:12

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