'."\n" ?> 南亭駄樂の「柿愁庵雑記」:メディアウォッチング「北朝鮮砲撃に関する社説を読む」:南亭駄樂
南亭駄樂の「柿愁庵雑記」

2010年11月25日

メディアウォッチング「北朝鮮砲撃に関する社説を読む」:南亭駄樂

 新聞報道によると、北朝鮮が韓国の延坪島を砲撃したのは23日午後2時半。24日朝刊各紙は「北朝鮮、韓国砲撃」などと大きな見出しで伝えた。また社説では「北朝鮮の暴走許されぬ 南北砲撃戦」(毎日新聞)、「北朝鮮の砲撃―連携し、暴走を許すな」(朝日新聞)、「南北砲撃戦 北朝鮮の暴挙を強く非難する」(読売新聞)などと北朝鮮を強く非難した。


 3紙の社説を読み比べてみると、北朝鮮の行動に対してはいずれも「休戦協定違反」とし、さらに「軍事的挑発であり、人道に反する行為」(毎日)、「常軌をあまりに逸した、北朝鮮による軍事行動」(朝日)、「重大な武力挑発である。断じて許せない。戦争再発につながりかねない言語道断の暴挙」(読売)と断じている。また、北朝鮮の狙いについては「米国と平和協定を結びたい。米国をその交渉に応じさせる狙い」「金正日総書記の焦りを示すのか、後継者の『手柄』作りなのか、真相は不明だが...」(毎日)、「もしも、今回の砲撃が後継体制の基盤固めや三男の権威付け、首脳部に対する軍部の『忠誠心競争』の結果だとすれば...」(朝日)、「軍部の支持を得て権力基盤を固める狙いがあるのだろう」「(北朝鮮の一連の動きは)米朝協議の実現が狙いだろうが...」(読売)という表現が見られる。ニュアンスは異なるが3紙とも後継者の権威付けを狙いとして取り上げている。毎日新聞、読売新聞は北朝鮮の行動は米朝協議へのプレッシャーのひとつとみているが「過剰な側面がありはしないか」(毎日)、「逆の結果をもたらすだろう」(読売)とその効果には否定的だ。

 今後の対応として各紙とも、関連する国へは事態が悪化しないよう冷静な対応を求めている。当事者の北朝鮮、韓国に対しては「何より北朝鮮が挑発を繰り返さないことが重要だ」(毎日)、「南北双方に自制を強く求める」(朝日)、「(北朝鮮は)責任の所在を明らかにし、責任者を処罰してしかるべきだ」「韓国は、ここは強く自制し、冷静に対処してもらいたい」(読売)とそれぞれの主張を述べている。また、毎日新聞、朝日新聞は中国の役割について取り上げ、「中国も北朝鮮に自制を求めるべきだろう」(毎日)、「北朝鮮に最も影響力を持つ中国も、これまで以上に強い態度で、理不尽な行動を止めさせるよう動くべきだ」(朝日)と中国の行動を求めている。国際社会の対応については、毎日新聞、読売新聞が日本、米国、韓国の関係を重視し、「まずは日米韓の連携にぬかりがないか、点検を急ぐことだ」(毎日)、「日米韓は、北朝鮮の軍事的な挑発を断固阻止するために、連携を一層強化する必要がある」(読売)としているのに対して、朝日新聞は「国連安全保障理事会などで、国際社会が連携して対応を急ぐべきだ」と国連の場における対応を期待している。

 同じ24日の産経新聞、日本経済新聞の社説をみると、産経新聞は「【主張】北の砲撃 移行期の『暴発』に備えよ」、日本経済新聞は「北朝鮮の暴挙に中国は手をこまぬくな」という見出しで北朝鮮の砲撃を論じている。前者は「これ以上(北朝鮮を)甘やかしてはならない」などと北朝鮮を非難、「周辺事態法」の検討にも言及している。後者は「北朝鮮を甘やかしてきたことが暴走を許している。その責任を中国は自覚すべきである」として、中国に「直ちに(北朝鮮の)冒険主義の行動を止めさせる」ことを求めている。
 なお、報道によると、中国外務省報道局の洪磊副局長は24日、「(北)朝鮮と韓国双方が冷静さと自制を保ち、できるだけ早く対話による接触を行って同様の事件の再発を防ぐことを強く呼びかける」とする談話を発表した。

今回の事態がアジアの平和にとって脅威であることは間違いない。筆者は、戦争を回避し、平和を確かなものにするために、危機が高まったときこそ冷静な議論と対応が必要なことを強調したい。マスコミに対しては、感情的、煽情的な表現に陥ることのないよう、冷静沈着な報道を求めるものである。

2010年11月25日 21:28

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